『書く瞑想』は、自分の内面を探り、心を解放するためのツールとして「書く」ことを提案しています。
著者は、日常生活で不安やストレスを軽減する「感情ジャーナリング」を推奨しています。
本書の中で引用されている言葉をもとに、その効果や実践方法について詳しく見ていきましょう。
1. 書くことの効果
「書く」ということは、単純な表現的な手段ではなく、私たちの心に良い影響を与えることが学術研究からも明らかになっています。
著者は、「不安やストレスを抑制したり、私が普段よくある感情や思考を、紙に書き出すことで客観的に捉えられることができるから」と言っています。
たとえば、日常の悩みや不安が頭の中をぐるぐると回り続けると、解決の糸口が見えず、ストレスが溜まります。
書くことで、自分が何を感じているのか、具体的な原因が浮き上がり、解決への第一歩を踏み出すことができます。
2. 内臓感覚と自己認識
本書では、「内臓感覚」の重要性についても触れられています。
心理学者のカール・ロジャーズは、自分を知るためには「内臓感覚」が鍵になることを強調しており、著者もこれを伝えています。
「内臓感覚」とは、私たちの頭では理解できない直感的な感覚のことです。自分の中の本当の気持ちに気づき、人生の方向性を知るためい内臓の感覚が大事になります。
この「内臓感覚」を引き出すためには、自分の感情に対して素直になることが大切です。
感情ジャーナリングで自分が感じていることをありのままに書き出すことで、頭でだけ考えるより、書いて、見て、考えることで、本当の気持ちや欲望に気づくことができます。
3. 感情的自己との対話
『書く瞑想』では、自己不安のためには、ただ頭で考える「自己分析」だけではなく、心や体の声を聞く「自己感受」が重要であると言われています。
自己には、「思考的自己（頭）」「感情的自己（心）」「身体的自己（腹）」の3つの自己があります。
自己分析を行うとき、多くの人は論理的に自分を分析しようとし、心や体が発する感情や直感に目を向けることができません。
著者は、このような状況を「頭とのコミュニケーション」が終始していると指摘し、感情や体の声を聴くことの重要性を強調しています。
感情ジャーナリングでは、「感情的自己」や「身体的自己」と対話をすることができます。
具体的には、自分の感じていることがあるままに、その感情の側面にある本当の理由をこの過程で、自分の本当の気持ちや心に気づくことができ、思考だけでは見つけられなかった、自分自身を再発見することができます。
頭で考えるだけでなく、心や体の声にも耳を傾けて大事にすることが、人生を豊かにするための鍵となります。
4. マイナス感情と視点
『書く瞑想』では、現状から脱皮したいと願いながらも、自分と向き合うことを恐れる人が多いと書かれています。
否定的な感情には、私たちが解決すべき課題や、その課題に取り組むためのヒントが隠されています。
受け入れる、向き合うことが大事になります。
多くの人は、嫌な気持ちや悲しい感情から逃れようと、それを無視したり、考えないようにしています。
逃れようとすると、ストレスから一時的に解放されたように感じられるかもしれませんが、同時に自分のやりたいことや本当に感情も感じられなくなります。
良い感情だけを感じ、悪い感情をスルーすることはできません。
ジャーナリングは、マイナス感情にも正面から見つめる、それを受け入れることで、ありのままの自分を受け入れることができるのです。
著者は、「大切なメッセージは、マイナス感情の中に隠れていることが多い」と述べています。
ネガティブな感情を無視するのではなく、それをしっかりと受け止めることで、自分の本当の感情や課題に気づくことができます。
感情ジャーナリングを続けることで、マイナス感情からも学び、より深い自己理解と成長を手に入れることができるのです。
5. 感情ジャーナリング
感情ジャーナリングは、頭で考えるのではなく、感情に焦点を当てて書きます。
「どのような状況で怒りを感じるのか？」と問いかけ、その感情の理由を紙に書くことで、表面的な怒りの奥に隠された本当の感情や原因が見えてきます。
著者はこれを「自己感受」と呼び、論理性ではなく感受性を作ることを提唱しています。
自分の本当の気持ちに気づき、より深いレベルで自己気づきができます。
6.自分の願望を理解する
「最も『深い願望』があなたである」という言葉からわかるように、本当の自分は、心の奥底にある願望や関心と向き合っています。
自分が何を求めている、どうなりたいのかを知ることが、人生の方向性を決める上で重要となります。
願望が明確になると、意思が生まれ、決意が固まり、行動に繋がります。
その願望が叶ったら、そこに向かって具体的な行動を起こすことができ、自己実現の道を歩むことができるのです。
まとめ
『書く瞑想』は、感情ジャーナリングという方法を育てながら、自分の内面を探り、心の声を聴くことを大切にすることを教えてくれます。
頭で考える自己分析だけではなく、感情を通じた「自己感受」により、深く自己反省することができます。
マイナス感情を見つめたり、自分の本当の気持ちや願望に気づくことで、人生の方向性が見えてくることもあります。
日々の生活の中に感情ジャーナリングを取り入れて、自分自身と向き合って時間を大切にしてみてください。
